リナリナ猫瑞希ぱきゅう編【夢現の猫ライド】
第6話「エディフェル」



「大隆起によってできたリーフ経済特別区域は業界内に初めてできた独立自治領だ。その理由は?」
「ここでしか存在しない特異能力者がいるからです」
「そうアルター能力者のせいだ。奴らには既存のキャラでは通用しない」
「そのために、アルター能力者だけで構成された部隊、カーギーがいるのです。社会機構を成……」
「そこまで解っていながらなんだ! ネイティブリーフ共に好きにされおって! そんなことだからロストリーフなどと呼ばれるんだ! 方便することはあるか、カーギー部隊隊長セリオ・クルスガワ!」
「総員で制圧にかかります」
「なぜ、最初からそうしない?」
「カーギーは強力で強大です。本土の市街なら半日で壊滅させてしまうほどに」
「なんだと……自主規制見地から見て大丈夫なのか!? 倫理委員会は刺激しないように頼むよ!」
(しかし、駄目です。もう駄目です。賽は投げられました。貴方方が私に命じて投げさせてしまった。もう戻れない、後悔しかできない、そう数日後には我々カーギーによるネイティブリーフ狩りが始まるのです)



ちゃんらちゃんらら〜 ♪ ちゃんちゃら ♪ ちゃららら〜 ♪

「奪えにゃ! 全てにゃ! その手でにゃ! 目覚めた本能(猫耳)体を駆けめぐ    るにゃ〜 ♪」
「夢や愛なんて都合のいい妄想♪ 全年齢版(コンシュマー)踏みしめ 果てしない18禁版へと手を伸ばす〜 ♪」
「ぱきゅぱきゅふぁいあ ♪ そう大胆に魂に火をつけますの ♪ 逃げ場なんてありませんの ♪ 落とせない原稿を描き上げるまでは〜 ♪」

               猫ライドOPテーマ 歌 猫瑞希、緒方理奈、御影すばる



「見るが良いにょ、猫瑞希。これがあたしのニューマシンにょ ♪」
「おお、凄いにゃ、ティリア」
「苦しゅうないにょ〜 ♪」
「にゃははははははははははははっ!」
「にょっにょにょにょにょにょにょっ!」

ゴキィッ!

猫瑞希はティリアの首を締め上げる。

「お前、あたしからいくらピンハネしてるにゃ!」
「にょお!?」
「こっちは今日の飯にも困ってるのに、何考えてるにゃ!」
「……規定通りにょ……」
「嘘付けにゃ! カツカツだと聞いてるるにゃ!」
「誰ににょ!?」
「すばるにだにゃ」


「だって、猫瑞希ちゃん、すぐどこか行っちゃますの。だから、溜めれるうちに溜めておいた方が良いと思いましたの」
「これ、大金にゃのか?」
「金の価値ぐらい覚えておけにょ!」
「仕方ないです。猫瑞希ちゃんは仕事は勝手に休むし、掃除も料理も何もできない駄目猫だからですの☆」
「ああ、それはクズにょ〜救いようがないにょ〜」
「そんなに言わなくてもいいにゃ……」
「どうみたってそうにょ」
「にゃんだと!」
「だから、そういうところが……」

カツン

「にゃっ!……すばる、隠れてろにゃ」
「ぱきゅう?」
「いいから早くにゃ!」
「はいですの……」
「まさか、カーギーにょ!?」
「わからにゃい……でも、どうにもきな臭いにゃ」

バタアン!

玄関から現れたのはボロボロの名も無きネーティブリーフだった。



カーギー部隊隊長セリオ・クルスガワは本土(鍵)と通信を終えた所だった。
「本土(鍵)、本土(鍵)、本土(鍵)ですか……しかし、由綺さんまで倒されるとは……」



その頃、由綺は病室で、見舞いに来てくれた冬弥(恋人)といちゃついてました。



「制圧完了したよ〜」
「こちらも終了しました。何か問題がありますか?」
「特にないよ。あの瑠璃子さんがネイティブリーフを1人逃がしたって、信じられない報告以外……」
「誰にでも失策はあります……」
「わ、予想外の反応だ〜」
「それより問題は、あの猫瑞希という野良猫です……我々、カーギーを愚弄し、秩序を破壊し続ける野良猫に罪を償わせなければいけません……必ず!」
「そこまでこだわる相手かな〜?」
「私には解ります……最初に戦った時とはまるで別人です……あの時、私は、もしかしたら、あの野良猫の中のなんらかのスイッチを入れてしまったのかもしれません……そう考えると全ての不祥事は私にあります……」
「考えすぎだよ」
「そうとも取れます……でも、そう取りたくはありません」
「隊長の意向は?」
「………………」
「そうやって、自分の中にある確信を信じて進む人は魅力的だよ。でも、それが他人との間に大きな溝を作るってこともあるよ」
「……それは忠告ですか?」
「まさか、あたしの経験から来る真理だよ」



セリオ・クルスガワは由綺の病室に訪れていた。たった一言を告げるために。
「というわけで、由綺さん、貴方はクビ(除隊)です ♪」
「……たった一度の失敗でカーギー除隊? ここから……芸能界から追放されるの? また、虐げられて暮らすの? 冗談じゃない……冬弥君の傍にいるためには……」



名も無きネーティブリーフから、カーギーのネーティブリーフ狩りを聞かされた猫瑞希達は、仲間を集め、逆にカーギーを襲撃することにした。
「あたし達は明日の昼、ここでカーギー部隊を叩くにょ! 崖と内海に挟まれた場所なら敵の救援も駆けつけにくにょ」
「そこにあいつは居るんだろうにゃ?」
「……あいつ?」
猫瑞希は、香里の問いに答えず、何かの気配を感知して耳を動かす。
「…………誰にゃっ!?」
「フフフフッ……あなた達、大事な人を忘れていませんか? 全てをうち砕くアルター使い、この瑞穂様を!!!」
「………………」
「………………」
「…………で、配置だけど」
「無視しないでください!」



「第1陣ゴーです!」
瑞穂を始めとする数人のアルター使いがカーギーの装甲車にとびかかった。
「さあ、第2陣行くわよ!」
「香里さん、気を付けるにょ〜」
「そっちこそ、アルター能力が無いんだから気をつけなさい……」
香里達残りのアルター使いも襲撃に加わる。



「……見つけたにゃ!」
「……ええ、見つけました」
「ティリア、後は任せたにゃあっ!」
そう言うと、猫瑞希は楓に向かって飛んでいく。
「フッ……」
「涼しげだにゃ、そのつら(顔)歪ませてやるにゃあっ!」
殴りかかる、猫瑞希、しかし、その一撃を楓は最小限の首の動きだけでかわしてしまった。
「なかなかにするどいですね……」
「見下すんじゃないにゃあっ!」

ザザアッ! ズザザザッ!

唐突に、猫瑞希の背後に出現したエディフェルが猫瑞希に襲いかかる。
それを辛うじてかわす、猫瑞希。
「卑怯ですか?」
「底が見えるにゃ」



「楽勝楽勝 ♪ 思い知りましたか、カーギー野郎 ♪」
襲撃に成功した瑞穂は調子に乗りまくっていた。
「……ちょっとおかしくない?」
「そうにょ、相手の反撃がないにょ……」
「その暇がなかったんですよ、私の香奈子ちゃんの強さの前に……」
調子に乗りまくる瑞穂を始めとするネーティブリーフ達。
「……ちょっとおかしくない?」
「そのとおりにょ、反撃がないなんておかしいにょ……」

バシュウウウウウウウウウッ!

「……おとりにょ!?」
香里とティリアの嫌な予感は最悪の形で的中した。

「あははーっ ♪ 理奈の任務は走ることだけですから、後はまかせましたよ ♪」
「解っています」
理奈の車から飛び降りる、千鶴。
「向こうからも来るわよ……」
「びびるんじゃないです! 合流する前に私の香奈子ちゃんに潰してあげます!」
「待つにょ! 攻撃するなら全員で……」
「さあ、来なさい」
千鶴は茸をつきだして構える。
「茸なんかにやられるものですか!」
「ま・ぬ・けさん(はぁと)」

ブオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオッ!

千鶴の茸から放たれた膨大な量の胞子が瑞穂をアルターごと呑み込み、粉砕(分解)し吹き飛ばした。



「衝撃のファァストォォト猫パンチ!」
「くっ、天野さんが負けるわけです……前は本気じゃなかったんですね……」
「お前のせいにゃ。入れたんだにゃ、あたしの中にあるスイッチをにゃ……」
「……フッ、なら私もも本来の姿に戻すしかないようですね……」
「にゃんだと!?」
「私のエディフェルは思念をもって自らを拘束しています……強すぎるからです。二年ぶりです……解き放つのは……あなたが解放したんですよ……あなたがっ!」
「撃滅のセカンド猫パンチにゃあっ!」


「くっ……」
「香里さん!」
千鶴と愉快な仲間達(その他のカーギー隊員)の攻撃に追いつめられる香里とティリア。
「あははーっ ♪ 嫌ですね、文化を知らない人達は ♪」
理奈は戦闘には参加せず、一人優雅に読書をしている。
「て、て、撤退にょ!」
しかし、すでに撤退も不可能に近い状態に追い込まれていたのだった。


「にゃ……」
大地に倒れ伏す、猫瑞希。
その猫瑞希の前で、エディフェルが再構築されていく、より強く、より美しく、より完全な姿に……。
「これが私ののアルターエディフェル、その真の姿です!」
「……今までずっと手加減してたのかにゃ……」
「全力を出す理由などありませんでしたから……」
「……これで本気なんだろうにゃ?」
「自分の力で試してみたら……?」
「嬉しいね……撃滅の!」
「エディフェル!」
「にゃああああああっ!?」
猫瑞希が拳を放つより速く、エディフェルが猫瑞希を吹き飛ばす。
「……動きが見えないにゃ……」
「はっ!」

ドカッ! ドカカッ! ドカッ!

エディフェルの猛攻が続き、猫瑞希は攻撃を防ぐどころか、エディフェルの姿を目でとらえることもできない。
「……もう一撃!」
エディフェルがトドメの一撃を放つ。

バシィィィン!

「何!?」、
「まさか!?」
エディフェルの拳と猫瑞希の間に謎のCDが割り込んだ
「にゃあああああああっ!」
猫瑞希は吹き飛ばされるが、CDが間に入ったおかげで、エディフェルの拳の威力は格段に削られていた。
「CD、なぜ……?」
「許して楓ちゃん……」
「由綺さん、なぜ妨げたのですか……?」
「おねがい、あの猫だけは私の手で殺らせて! 私がカーギーであるために……どんな勝利でもかまわない……私はあんたを倒して、冬弥君の所に帰るのよおおっ!」
「いちいちうるさいにゃ、お前! せっかくの楽しみを邪魔しやがって、この偽アイドル野郎っ!」
「でやああああああああっ!」
「にゃあああああああああっ!」

ガシュウウウウウウウッ! ビシュウウウウッ! ガココココオオオオオオオッ!

二人の力の激突で大地が二つに切り裂かれる。

「きゃあああああああああああああああああああぁぁぁぁっ!」
「にゃあああああああああああああああああああぁぁぁぁっ!」

猫瑞希と由綺はその亀裂に落ちていった。



「どうしよう、やっぱり由綺さんは見つからないよ……」
「そうですか……ぐふぅ!」
「楓お姉ちゃん!? まさか、オーバーシュート!? しっかりして、楓お姉ちゃん……」
「あいつが……あいつが……あいつが……ああ……」




次回予告(美汐&香里でお送りします)
「大変お待たせしていた、猫ライド第6話をお送りしました」
「……前回(五話)も同じこと言ってなかった?……しかも、期間が前の比じゃないような気が……」
「長い間書きかけで放置されて、とても熟成(腐って?)されました」
「……まあ、KPの時の三ヶ月放置よりはマシよね……」
「原作の方がどんどん進んじゃって、もう追いつきようがないので開き直って書かなかったわけではありませんよ」
「………………」
「間違っても、この作品なんか書きにくくなったから、KPと同じようにいつのまにか続編が出なくなって自然消滅させようとしたわけでもありません」
「言わなきゃ解らないのに……て、KPってそうだったの!?」
「別に最終回はありませんでしたが、ここ(RINARINACLUB)の作品は、連載物でも毎回読み切りみたいなものですから、人気(反応)がなくなったり、旬がすぎたり、作者が書く気なくなった作品は済し崩し的にジ・エンドです。猫耳王や聖闘士系が良い例ですね」
「……最近、リメイクしてまた書かれたけどね……」
「テコ入れ、再利用という奴です」
「身も蓋もないわね……」
「というわけで、猫ライド、もうちょっとだけ続きます」
「もうちょっと?」
「では、今宵はここまでということで……」
「もうちょっとだけ続くと言って、ほんとに「ちょっと」で終わった作品ってあたし見たことないわよ……」
「大丈夫です。猫ライドは元から傑作ではないので、『あそこで終わっていたら傑作だったのに』と言われる心配はありません」
「………………」
「では、お疲れさまでした。次ぎは早いと良いですね」
「……そうね、月華音姫だと出番(次回予告)無いしね……猫ライドは貴重ね……」
「次ぎの作品が何か解りませんが……またお会いしましょう」
「またね」
「絶対面白いです(中華で一番)」



戻る
リナリナ猫瑞希ぱきゅう編6