リナリナ猫瑞希ぱきゅう編【夢現の猫ライド】
第5話「月宮あゆ」

ブオオン! ブオオン!

「じゃあ、ちょっと出かけてるにゃ。遅くなるからちゃんと鍵かけておくにゃ」
「はいですの☆」
「猫瑞希、借りていくにょ、すばるちゃん」
「好きなだけ持っていってくださいですの」
「その言い方、なんかひっかるにゃ……」
「行くにょ〜」

ブオオオオオオオオオオオオオオオオオオオン!

「にゃあっ! こら、ティリア……」

ブオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオン!

バイクが遠ざかっていくのを確認すると、すばるは家に入った。
「さあ、お片づけしなきゃですの☆」
歩き出そうとしたすばるは唐突に目眩を覚え、ふらついた。
「ぱきゅう? どうしたんですの?」
なんとか態勢を立て直そうとするが、
「ぱきゅう? ぱきゅう? うりゅ…………」
玄関に倒れ込みそのまま意識を失ってしまった。



ちゃんらちゃんらら〜 ♪ ちゃんちゃら ♪ ちゃららら〜 ♪

「奪えにゃ! 全てにゃ! その手でにゃ! 目覚めた本能(猫耳)体を駆けめぐ    るにゃ〜 ♪」
「夢や愛なんて都合のいい妄想♪ 全年齢版(コンシュマー)踏みしめ 果てしない18禁版へと手を伸ばす〜 ♪」
「ぱきゅぱきゅふぁいあ ♪ そう大胆に魂に火をつけますの ♪ 逃げ場なんてありませんの ♪ 落とせない原稿を描き上げるまでは〜 ♪」

               猫ライドOPテーマ 歌 猫瑞希、緒方理奈、御影すばる



半透明なカプセルのような物の中で眠っている天野美汐。
治療用の装置だが、それは棺のようにしか見えなかった。
よく見ると、同じようなカプセルが他にもいくつか並んでいる。
「天野の件から10日しか経ってないのにさらに二人も運び込まれてきました。検査は引き続き行いますが、戦力としては絶望的かと」
「……そうですか」
(Cクラスとはいえ三名ものカーギー隊員が倒されるとは……しかも、その全てにあの猫が関わっている……狙いは我々への反抗か、それとも、力の誇示か……どちらだとしても殺らなければならない……徹底的に!)
楓は新たな決意を固めながら、その部屋を出た。
「楓お姉ちゃん、みんなの容態は?」
「想像以上の恐怖を味わったようです……肉体より精神的ダメージが多い……もうアルター能力は使えないでしょう……」
「そっか……でも、ある意味幸せかもしれないね……」
「そんなことを言いに来たんですか……?」
「えっとね、医療班が本部の再開発地区に出向くんだって……」
「私達には関係ないことです……」
「それに、月宮さんが同行すると言っても? 自ら志願したんだって」
「……それが何か……?」
「別に……」
「本部に戻りますよ」
「あ、待ってよ〜楓お姉ちゃん〜」」


「うぐぅ……突然のリーフ再開発計画、しかも家庭用まで巻き込んで……」
あゆは出発のための準備をしていた。
そこに、この世でもっとも速い哀奴隷(アイドル)緒方理奈がやってくる。
「こんにちわ、なゆさん ♪」
「あゆだよ!」
「あははーっ ♪ ごめんなさい ♪」
「うぐぅ、いいの? こんな所に居て……それとも、カーギーってそんなに暇なの?」
「あははーっ ♪ これは手厳しいですね ♪」
「理奈さんとはよく会うけど、これって偶然(ランダム)? それとも必然(強制イベント)なの?」
「あははーっ ♪ 理奈はこう思っているんですよ ♪ キャラ攻略は先手必勝だと、どんな魅力的なヒロインでも攻略するのが遅ければ、先にクリアされてしまう可能性があります ♪ なら、出会った瞬間に、自分がそのキャラに興味があること即座に伝えた方がいい ♪ 速さは力です ♪ 興味を持ったヒロインから攻略する ♪ 好きなキャラは好きだと叫ぶ ♪ みんなにそのキャラを知ってもらうことから、人気は出てくるのです ♪ 時にはそれは寂しい結果(自分以外にそのキャラを好きになってくれる人が居ない)を招くこともあるでしょう。しかし、次の出会い(新しい萌えキャラ)がいつまた現れるかもしれません ♪」
理奈は高速で捲し立てる。
「確かに一理あるかもしれないね……」
「そうでしょう ♪」
「でも、その前に女の子の名前を間違えないようにした方がいいと思うよ」
「あははーっ ♪ これは参りましたね ♪」
そこへ、楓がやってきた。
「あゆさん……今日の夜、時間を少しもらえませんか……?」
「ふぇ?」
「お願いします」
「あははーっ ♪ 理奈が先に誘って……」
「うん、いいよ」
「ふぇ!?」
「……では、後ほど……」
「理奈が遅い? 理奈がスロー ? これでは究極的哀奴隷(パーフェクトアイドル)が……なぜですか?、毒(個性)が強すぎるんですか!?」
苦悩する理奈、しかし表情は笑顔のままだった。
「冴えないですね、理奈さん」


「早く行かなきゃいけませんの……ぱきゅう……ぱきゅ……」


「なんで、この志保ちゃんがパトロールなんてしなきゃならないのよ! こんなこと名前も無いキャラにやらせればいいのよね」
「志保〜何かが飛来してくるよ〜」
「何かって何よ、あかり…………げえっ!?」
ゆっくりと空から降ってくる、猫瑞希。
「衝撃のファースト猫パンチ!」
「ちょっと待ちなさいよ! まだ心の準備が……」

ズドオオオオオオオオオオオオオオオオオオオン!

「猫瑞希の奴、だんだん昔に戻ってるにょ、これなら早く帰れそう……にょおおおおおお!?」

ズドオオオオン!

ティリアは猫瑞希が吹き飛ばした装甲車の破片の下敷きになった。



「お前、絶対、あたしのこと恨んでるにょ……」
「偶然にゃ〜偶然 ♪ もしくは事故にゃ〜 ♪ 命があっただけ感謝するにゃ ♪」
猫瑞希は陽気な足取りで我が家への帰路についていた。
「ただいまにゃ〜 ♪…………すばる!?」
「すばるちゃん!?」
猫瑞希達は玄関で倒れているすばるに駆け寄る。
「どうしたにゃ、すばる!?」
「意識がないにょ……やばいにょ!」
「どうしたらいいにゃ、ティリア!?」
「決まってるにょ! 医者を呼ぶにょっ!」
「にゃあっ!」
猫瑞希は家から飛び出していった。


「医療チームの護衛?」
カーギー隊員森川由綺は、カーギー隊長セリオ・クルスガワと通信を行っていた。
「ええ、明日の13時に到着します」
「わざわざ、私が護衛しなくても……」
「その中には月宮あゆさんが居ます」
「だからって……」
「けれど、本土(鍵)のご令嬢を危険にさらすわけにはいきません。これは命令です。それとも、また、業界から追放されたいですか?」
「わ、解ったわよ……やればいいんでしょ、やれば……」
通信が途切れたのを確認すると、由綺は写真に向かって呟く。
「……鍵の人間ってだけでこんなに待遇が違うなんて……おかしいと思わない、冬弥君」


猫ライド!(アイキャッチ)


ロストリーフの医者では、すばるの治療をできなかった。
そもそも、ロストリーフには薬すら満足にないのだ。
「猫瑞希! どこへ行くつもりにょ!?」
「市街(家庭用)にゃ! そこなら薬があるにゃ!」
「お前1人でにょ?」
「待てないんだにゃっ!」
「今日の午後、カーギーの医療班がやってくるにょ。なんのために車を用意したと思ってるにょ?」
「ティリア、ちょっと待ってろにゃ! すばる、医者にゃ! 医者の所に連れてってやるにゃ!」


「…………くっ」
駆けだそうとした楓の前に車が止まる。
「あははーっ ♪ 乗っていきますか?」
「理奈さん……」
「目的は同じみたいですからね ♪」
楓は無言で後部座席のドアを開けて乗り込む。それと同時に助手席のドアが開かれた。
「ふぇ?」
「初音?」
助手席に乗り込んできたのは柏木初音だった。
「わたしも一緒にいっていいよね?」
「仕方ないですね ♪」


「見つけたにょ! のほほんと走ってるにょ!」
「軽く決めるにゃ、ティリア!」
「イエッサーにょ!」
「待ってろにゃ、一撃で片を付けてやるにゃ!」
「手加減するにょ」
「解ってるにゃ!」
猫瑞希は医療班の装甲車に飛びかかっていった。


「あははーっ ♪ 幼なじみなだけですか ♪ 少し心配しました ♪」
「幼なじみは心配だよね〜」
「普通そうですね ♪」
「普通そうだよね〜」
「そうに決まってます ♪ コングラッチレーション ♪」


あゆはすばるの容態を診ていた。
「フリーズバグに感染してるよ。典型的な症状だね」
「治せるにゃ!?」
「大丈夫だよ、重い症状に見えるだけだよ」
「良かったにゃ」
「ボクは専門じゃないけど……これくらいなら何とかなるよ」
「いいから早く治してくれにゃっ!」
「必要な処置は施し終わってるよ。薬は、はい、コレ」
あゆは猫瑞希にアップデートCDを差し出した。
「お前に助けられたのはこれで2度目だにゃ……」
「うぐぅ、散々な目にあったよ……。でも、人は人を助けるものだよ。少なくともボクは秋子さんにそう教わったよ」
「あんた、本土(鍵)の人間かにょ?」
「うん、月宮あゆだよ」
「あゆか……覚えておくにゃ。あんまり自信にゃいけど……」
「うぐぅ、ちゃんと覚えてよ」
などといったほのぼのとした雰囲気?をぶち壊すように、数人の男達が部屋に攻め込んできた。男の1人が猫瑞希をつるし上げる。
「猫瑞希!?」
「うぐぅ!? 何するんだよ、君達」
「にゃああ……」
「……あんただったのね、馬鹿猫」
男からなぜか女の声が聞こえてきた。
「にゃんだと!?」
「カーギーにょ!?」
「月宮さん、あなたのとった行動は今は問わないわ。この猫と私を会わせてくれたから……」
「君、誰?」
「由綺……森川由綺よ!」
「にゃあ……」
猫瑞希は右腕をアルター化させようとする。
「やめるにょ! すばるちゃんも居るにょ!」
「にゃ…………ティリア、すばるを頼んだにゃっ!」
猫瑞希は自分を捕まえていた男ごと、装甲車の外に飛び出した。
「あの時の借りを返させてもらうわ。アイドルのプライドを傷つけられた借りを!」
「借りって何にゃ? 他人にやらせて、お前が隠れていたら解らないにゃ〜」
「さあ、私に謝罪するのよ!」
男達が一斉に襲いかかってきた。
「カーギー野郎! どこにゃ!? どこに居るにゃ!?」


「その女の子、まだ安静にしてた方が良いよ。なんなら、ボクが保護して……」
「にょ! 冗談じゃないにょ、カーギーなんかに渡したら何されるかわかったもんじゃないにょ! それにそうなったら、猫瑞希が本気で取り返しに行くにょ」
「うぐぅ……」
「あ、忘れてたにょ、ホントに助かったにょ、有り難うにょ」
「うぐぅ、当然のことをしたまでだよ」
ティリアとあゆは握手をかわした。


男達は倒したものの、今度は、男達を操っていたCDが直接猫瑞希に襲いかかっていった。
「にゃああああああああああああああっ!」
「カーギーに対立する第2級犯罪者猫瑞希、セリオ・クルスガワ隊長の命により、あなたを遮断します。音楽を操る八つのCD、ホワイトアルバムエイトの森川由綺が!」
「にゃあああっ!」
猫瑞希に張り付いたCDから発せられる歌声が猫瑞希の精神を直接傷つけ、犯す。


「夢を……見ていましたの。夢の中のあたしは激しい痛みに必死に耐えていましたの。絶え間なく襲いかかる苦痛、逃げたい、逃げ出したい、あたしはすぐにそう思いましたの。しかし、その人の思いは違っていましたの。その人は少しも諦めていませんでしたの。苦痛から逃げることも、戦うことも、そして生きることも……」


「誉めてあげるわ、私の攻撃にここまで耐えるなんて……えっ!? CDが、無い? 私のCDが無い!? なぜ……」
「にゃはははっ! やってみるものだにゃ!」
CDは猫瑞希の右腕のアルターに溶け込み吸収されていた。
「そんな、私のCDをアルター化させているなんて……」
「まあ、お前の意識がヤワだったってことだにゃ〜 ♪」
「私の……私の大事なCDを!」
由綺は再び、ホワイトアルバムエイトを作り出し、猫瑞希に投げつける。

バババババババッ! ギュルルルルッ! バアアン!

襲いかかってくる八つのCDを、猫瑞希は回転して叩き落とした。
「読めてるにゃ」
「くっ……」
「今度はこっちの番にゃ! 衝撃のファースト猫パンチ!」
「そんな見え見えの……」
「にゃあああああああっ!」

ガコオオオオオオンッ!

八つのCDによって形成されたエネルギーシールドと猫瑞希の拳が激突する。
「くぅっ……」
弾き飛ばされたのは由綺の方だった。
由綺は辛うじて空中で態勢を立て直す。
「この馬鹿猫……」
「逃げるにゃ、カーギー!」
「私が逃げる?……私が……」
呟きながら由綺は地上に降り立った。
「逃げるわけないでしょ! 私のホワイトアルバムエイトは縦横無尽! 変幻自在! 絶対無敵よ!」
「そうそう、そういうのが良いにゃ !」
猫瑞希は迷わず一直線に由綺に殴りかかる。
「真っ直ぐ来る? あなた馬鹿なの?」
由綺はCDを集め、ブレード(刃)を作り出すと猫瑞希に斬りかかった。
「抹殺のセカンド猫パンチ!」
「ホワイトアルバムエイト!」

ガキィィン!

「手応えが……無い!?」
バキィン!と音をたてて、折れたのは由綺のCDブレードだった。
「そんな、カーギーで強化されている私のアルターが、ネイティブリーフなんかに……」「ちっぽけなプライドにゃ」
「嫌よ! 私はカーギーでなければいけないの! 落ち目になるのはもう嫌よ! だから、誰にも負けるわけにはいかないのよおおおっ!」
「それぐらい、あたしにもあるにゃ! 抹殺のラスト猫パンチ!」
「そんな、そんな、そんな、冬弥君…………」

ドゴゴオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオン!

大爆発による砂煙が晴れた後にそこに居たのは猫瑞希だけだった。
「にゃあ」
猫瑞希は、片手を上げて、寄ってきたティリアにあいさつする。
「カーギーのアルター使いはどうしたにょ?」
「手応えはあったけど、完全に殺れなかったにゃ……」
「充分にょ、勝ったんだにょ?」
「そうだにゃ……すばるは?」
「大丈夫にょ」
「すばる!」
猫瑞希の声に答えるように、うっすらとすばるが瞳を開ける。
「……猫瑞希ちゃん……」
「気がついたにゃ?」
「良かったにょ、すばるちゃん」
「猫瑞希ちゃん……明日は牧場の手伝いして欲しいですの……」
「にゃ……」
「にょっにょにょにょにょにょ!」
「何にゃ、何がおかしいにゃ!?」
「にょにょにょにょっ、だってにょ」
「ティリア、笑ってるんじゃないにゃ」


「どういうことですか?……何があったんですか?」
あゆの元に辿り着いた楓達が見たのは、倒れている男達と、それを手当しているあゆの姿だった。
「誰の仕業なんですか? 答えてください、あゆさん……」
「…………」
「……ネイティブリーフよ……」
無言のあゆの代わりに、楓の問いに答えたのは、ボロボロに傷ついた由綺。
「ごめんなさい、油断したわ……」
「落ち目のアイドル(森川由綺) ♪」
「う、理奈ちゃん、酷い……」
「まさか……あの猫ですか?」
由綺は頷く。
「……秩序を乱し、人を傷つけ、己の欲のままにふるまう、そこまで敵対するつもりですか…………猫瑞希!」



次回予告(香里&美汐でお送りします)
「大変お待たせしていた、猫ライド第5話をお送りしました」
「……やっと片づいたわね、この話……作者が元ネタを見損なったりするから、面倒なことになるのよ……」
「まあ、最初の頃はただの馬鹿アニメとしか思って無くて……チェックが甘かったですから……仕方ないといえば仕方ないですね」
「まあ、いいわ……で、これからの予定は?」
「最新話と過去話の同時進行だそうです」
「はい?」
「ですから、最新話の方が18、19……と進み、同時に6、7……と過去の話も16話を目指して進んでいくというわけです」
「……なるほどね……」
「理想ペースは1週間に、最新話と過去話が1話ずつですが……そう上手くいかないのが世の中です。新作のアイディアもあるようですし……」
「ちょっと……また別の話を始めるつもり……?」
「アニメの企画と同じですね。企画は無数にあるけど、実際にアニメ化する作品は一握り……まあ、そんな厳しい世界なのですが、なぜ、こんなものがアニメ化されるんだという物も無数にあったりしますが……」
「……心を図書館?」
「アレはただの職権乱用です。そういえば、ソレをネタにしようという企画も一時立ったそうです。速攻で潰れましたが」
「……えっ?」
「かおりん図書館(仮)」
「…………」
「しおりん図書館の方がまだ一般ウケしそうな気がしますので、私としてはこちらのタイトルをお勧めします」
「…………その場合、あたしの役割なんとなく予想がつくわ……」
「ええ、きっとピッタリですね、シスコン具合が……」
「……それより、一応新作予定にあったカノワールとかはどうなったのよ?」
「旬をのがしました。それに、資料を手に入れるのに経費がかかってしまうのです」
「……経費?」
「作者は元ネタの第1話を見ていないので、ビデオを借りないと書くことができないんですよ」
「……まあ、ビデオを借りてまで、書くほどのものじゃないかもね……」
「ですから、それに代わる新しいアイディアがあるそうです」
「……今度は何のパクリよ……?」
「それは……」
「それは?」
「秘密です ♪」
「………………」
「……………………」
「……佐祐理さんじゃあるまいし、『♪』なんて付けないで欲しいわ……似合わないわよ、あなたには……」
「ちなみに、その次回作にはさゆりさんだけ出演が確定しているそうです」
「……ひいき……」
「というより、佐祐理さんのためにあるようなキャラがいる作品なんです」
「……そんな作品あるの?」
「ええ。ちなみに、香里さんもかなり出演確定だそうです。外見(能力)的理由から」
「本当!?」
「ええ、本当です」
「……それは素敵な作品ね、ぜひやりましょう……」
「現金ですね。ちなみに、あと一つの役は、佐祐理さんとの関係を優先すると舞さん、外見的特徴を優先すると私……今、選考中なようです」
「……選考といえば、今回でやっと決まったようね、隊長とエイトが……」
「ええ、エイトは結局、無難に由綺さんになってしまいました。最終候補として、由綺さんと違って『本物』のアイドルであるあさひ嬢というアイディアも常にあったのですが……動かしにくそうなので没になりました」
「……でも、なんでこんなに選考に時間がかかったのよ?」
「いえ、由綺さんだと立派すぎるというか、重要なキャラは荷が重いような気がして決断に踏み切れなかったそうです」
「………………」
「ちなみに、あゆさんを使わずに残しておけば良かったとも思ったようです。タイヤキエイトなんてアイディアが浮かんでしまって……」
「……『ボク』キャラはあの子だけだしね……勿体ないことしたわね……」
「作者の未来視が浅かったのが敗因です」
「……でも、それ以上に隊長の方は悩みまくったわね……」
「ええ、鍵の重要キャラ、果ては男キャラまで候補に上がりましたが……葉っぱキャラにしたかったんですよね。で、キャラの格的に考えれば、芹香さんや綾香さんなのですが……あまりに元キャラとイメージ(タイプ)が違いすぎたんです」
「……で、ああなったわけね」
「そんなところです」
「……じゃあ、今夜はこれくらいにしましょうか」
「そうですね」
「次回が何になるか解りませんが……良ければ来週も見てね」
「一緒に走りましょう、レッツ&ゴー! MAX!」


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