リナリナ猫瑞希ぱきゅう編【夢現の猫ライド】
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全てが瓦礫と化していた。そこに倒れる無数の骸。全て、たった1人の力によるもだった。 「…………ぅっ」 楓は意識を取り戻した。彼女はまだギリギリの所で骸の仲間入りしていなかった。 その彼女の目に映ったのは、この惨状を作り出した存在……。 「フフフッ…………(にやそ)」 その存在に向かって、楓の飼い猫が向かっていた。 「……エディフェル!?」 バシイィィッ! 吹き飛ばされた猫は完全に絶命していた……。楓の両親と同じように……。 その絶対の存在は両手を天にかざす、包丁の右手、ジャム瓶の左腕……。 「了承おおおおおおおおおおおおおっ!」 ガココオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオン! 凄まじい爆発の後、そこには何も残っていなかった……。 「…………あいつが……あいつが……母様を!」 楓の絶叫が、号泣が、彼女以外生命のいなくなった廃墟に響く。 その傍らに、美しく、けれどとても儚げで、哀しげな女性が『形成』されていった。 ちゃんらちゃんらら〜 ♪ ちゃんちゃら ♪ ちゃららら〜 ♪ 「奪えにゃ! 全てにゃ! その手でにゃ! 目覚めた本能(猫耳)体を駆けめぐ るにゃ〜 ♪」 「夢や愛なんて都合のいい妄想♪ 全年齢版(コンシュマー)踏みしめ 果てしない18禁版へと手を伸ばす〜 ♪」 「ぱきゅぱきゅふぁいあ ♪ そう大胆に魂に火をつけますの ♪ 逃げ場なんてありませんの ♪ 落とせない原稿を描き上げるまでは〜 ♪」 猫ライドOPテーマ 歌 猫瑞希、緒方理奈、御影すばる カーギー本部。 「にゃぎゃああああああああああああああああああああああっ!」 猫瑞希は高速で回転する乗り物に強制的に載せられていた。 「うぐぅ!? なぜ、こんなことするの?」 「あははーっ ♪ 超高速メリーゴーランドのテストです ♪」 「……楽しくなさそうだね、あそこまで速いと……」 「あははーっ ♪ 速いことは良いことですよ ♪ 次は超々高速コーヒーカップです ♪」 「あ、あの1人で載ることが許されない恥ずかしい乗り物のことだよね?」 「あははーっ ♪ カップルしか乗れない乗り物ですね ♪ でも、ここのコーヒーカップは……」 ギュゴゴゴゴンン! カッ! 「にゃぎゃああああああああああああああああああああああああああああああっっ!」 「カップルで乗ったら相手が死んじゃいますね ♪」 「うぐぅ、溶けてバターになっちゃうのかな?」 「あははーっ ♪ 回転力で体が粉々に引き散ぎれるだけですよ ♪」 あゆは食堂で食事をとっていた。しかし、食欲は余りない。 「お口に合いませんか? なゆさん ♪」 「あゆだよ!」 「あははーっ ♪ 失礼 ♪」 「なんでメニューにタイヤキが無いんだろう……?」 それは、あゆにとっては、何よりも深刻な問題だった。 「というわけで、いきなりスペイン宗教裁判! N1998(猫瑞希)!」 何世代か前のアイドル衣装の少女が裁判官を気取っている。 「ねえ、あのイっちゃった目をした人誰なの?」 「あははーっ ♪ 裁判さえできれば幸せなただの馬鹿(元アイドル)ですから気にしなくていいですよ ♪」 「えっと、あなたの罪状は…………って聞いてる?」 「にゃ!(ギロリ)」 元馬鹿アイドル森川由綺を睨み付ける猫瑞希。 「ひっ! ちょっと、何よ、その目は……」 「……あなたの出番は終わりです、由綺さん」 「楓ちゃん?」 「……速く逃げないと……」 「逃げないと?」 「にゃあああああっ!」 ドコン! 「げふっ!」 「……殴られますよ」 「…………もっと、早く言って……それになんで殴られるのよ、原作と違……」 「いいからさっさと失せろにゃっ!」 バココン! 「げふふぅ!」 「……何の役(名前なしのキャラ、一回限りのキャラ、モブ)でもいいから、出たいなんて言うから悪いんです……」 「会いたかったにゃ……」 「まるで、私に会うために……わざと捕まったみたいに言いますね……」 「そのとおりにゃ! さあ、続きをやるにゃ!」 「……C−のヒロインが私にかなうつもりですか?」 ドカッ! 「にゃふっ!?」 バコココオッ! 「にゃああっ!?」 一方的にやられまくる猫瑞希。 「……私は、あなたがどんな生き方をしてきたのかも……これからどうやって生きていくかも興味ありません……」 「にゃ…………」 楓は猫瑞希に近寄ると小声で囁く。 「……両手に調理道具を持ったアルター使いを知っていますか?」 「にゃあ?」 「……答えてください!」 「……にゃ! ひょっとしてあいつかにゃ?」 「知っているんですか!」 「にゃはははっ! 全然知らないにゃ」 ドココオ! 「……あなたのような人が居るから、リーフが世間から偏見を受けるんです!」 「……偏見じゃなくて……当然の評価だと思うにゃ……」 バコオオッ! ブンブンブンッ! ドカアアアアアアアアアアアン! 腹に一撃、アルターでジャイアントスイング、壁に叩きつけのコンボが炸裂し、猫瑞希は気を失った。 「……あなたを第2級瑞穂(毒虫)と認定します…………あとの処理は任せます」 「うぐぅ、楓ちゃん、猫さんが可哀想だよ。非人道的だよ」 「……猫に人権はありません」 「うぐぅ…………」 「うぐぅ、猫さん、大丈夫?」 「脱出のチャンスにゃ!」 「うぐぅ!?」 「衝撃のファースト猫パンチ!」 「……ちっ!」 ズゴオオオオオオオオオオオオオオオオオオオン! 「うぐぅ!?……あれ、ボクは無事?」 「……代わりに、私が殴られたから……当然です……」 「わっ! 楓ちゃん大丈夫?」 「一発殴ってすっきりしたから帰る(逃げる)にゃ! お前は人質になるにゃ!」 「うぐぅ!?」 あゆを抱き寄せるた猫瑞希は、楓に訪ねる 「お前の名前はなんて言うにゃ?」 「わたしはアイドルの森川由……」 「お前じゃないにゃ! 『可愛い』方にゃっ!」 「…………楓」 「よし、刻んだにゃ。こんどはそっちがあたしの名前を刻めにゃ、猫瑞希という名を!」 「……猫瑞希さん?」 「正解にゃ!」 ドカカンッ! 地面を破壊して、落ちていく猫瑞希とあゆ……。 「……馬鹿ですか!?」 「逃がしません」 「駄目だよ、千鶴お姉ちゃん! 人質がいるんだよ!」 「ち〜ちゃん、そんなの知らないも〜ん」 「可愛い子ぶっても駄目だよ……お姫様(Kanonのメインヒロイン)なんだよ! 殺ちゃったら凄い賠償金払わされるよ……」 「う……面倒臭い……誰か、代わりにやって〜」 「うぐぅ……君、きっと後悔するよ」 「そんな暇ないにゃ……後ろの車……」 「うぐぅ?」 「あははーっ ♪ この理奈より速く逃げるなんて許せませんよ ♪」 「カーギーの追っ手にゃ……」 アッと言う間に理奈のアルター化した車が追いつく。 「お前は!?」 「寝込み好きちゃん!?」 「猫瑞希にゃああっ!」 ブオオオオオオオオオオオオオオオッ(車の排気音) 「猫瑞希〜生きてるかにょ〜?」 少し向こうにティリアの姿を確認すると、猫瑞希は、 「お前、世話になったにゃ。ちょっと危ないけど、あとはあのエルクゥがなんとかしてくれるにゃ」 「うぐぅ!?」 乗っていた車を軽く破壊すると同時に自分はティリアの車に飛び移る猫瑞希。 当然のように、あゆが取り残された車は暴走し、理奈の車にぶつかってくる。 「無茶苦茶です ♪ 大丈夫ですか、なゆさん?」 「あゆだよぉぉっ!」 「あははーっ ♪ ごめんなさい ♪」 仕方なく理奈は車を急停止させて、あゆを助ける。 「この理奈を……止めさせましたね ♪」 「うぐぅ……理奈さん、あの猫さんと知り合いなの?」 「いえ、知り合いに似てただけです……別人でした ♪」 「そうなの……?」 「ええ ♪」 「にょおおおおっ!? 出口が閉まるにょ〜っ!」 「そのまま突っ走れにゃ!」 「無茶言うなにょ!」 「無茶でもやるにゃ! 撃滅のセカンド猫パンチ!」 ドカアアアアアアアアアアアアアアン! 「にょおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおっ!?」 「抹殺のラスト猫パンチにゃああっ!」 バコココオオオオオオオオオオオオオオオオオン! こうして、猫瑞希は無事に市外に無事に脱出しました。 「……あゆさん、あなたは……ごふっ!」 「楓ちゃん!?」 「楓お姉ちゃん!? そんなほとんどかわしたはずなのに……」 「……刻むしかないですね、あの猫のことを……」 「……猫瑞希ちゃん ♪」 「夢を……夢を見ていましたの……夢の中のあたしはとても楽しそうに笑ってましたの。でも、その心の中で炎のような強い怒りを迸らせていましたの。そして、その片隅にちょっとだけ憂いと悲しみがあったですの。ぱきゅう〜、夢の中のあたしは、その人は、怒りと悲しみを笑い飛ばせるほど強い人だったのですのよ。私もそんな風に生きていたと強く思いましたの……強く願いましたですの……(寝言兼ナレーション)」 「ただいまにゃ〜 ♪」 「おかえりなさいですの、猫瑞希さん☆」 次回予告 「ぱぎゅう〜……すばるの出番が滅茶苦茶少ないですの! ヒロインなのに…………ぷんぷんですのよ」 「だからって、あたしに八つ当たりしないで欲しいにゃ……」 「無断外泊のおしおきですの〜☆」 「にゃああっ…………そういえば、いつもの『奴ら』はどうしたにゃ?」 「すばるがここで本編の分も喋りたかったから、邪魔されないように『処理』しておきましたの」 「……処理って……?」 「ぱきゅう、詳しく聞きたいですの?」 「……恐いから辞めておくにゃ……(どうして、あたしの周りには、理奈といい、「こういう女の子』しかいないにゃ?)……」 「では、パートナーを交換しますか?」 「にゃっ!?……いつもの奴らの片割れにゃ? もう1人はどうしたにゃ?」 「……あなたのパートナーに聞いてください……」 「ぱきゅう? あなたは無事でしたの?」 「ええ、香里さんが私を庇って……」 「……嘘言わないでくれる?」 「にゃっ! 出たにゃ!?」 「呆れた回復力ですね、香里さん。あなたホントに人間ですか?」 「いったい何があったにゃ?」 「……ぱきゅぱきゅう娘に道路に投げ飛ばされて……一緒に投げ飛ばされたタヌキ女に『盾』にされただけよ……」 「………………」 「ぱきゅう〜、細かいことを気にしちゃメっですのよ」 「まあ、無事で何よりですね、香里さん」 「あなた達ね…………はあ、もういいわよ……」 「さて、話がついた所で次回予告です。はい、香里さん、貴重な出番ですよ」 「……やればいいんでしょやれば……えっとこんな感じ?(声が若本○夫に変化する)……『大きいモノ、硬いモノ、雄々しいモノ、それは天野美汐のビックマコナム……天野の弾丸と猫瑞希の拳の衝突がロストリーフを大きく揺るがす……二人、女の太さを競う』」 「女の太さっていったいなんにゃ……?」 「ぱぎゅう〜、すばるにはわからないですの☆」 「どうやら、ようやく私の出番のようですね、少し不本意な役ですけど……」 「……出番あるだけいいじゃない……」 「香里さんも次ぎの話出番あるそうですよ」 「ホント!?」 「次ぎも猫ライドならの話ですけどね」 「むっ……また未定なの?」 「今回も例によって、エンジェリックフォックス真琴→KP→猫ライド3と変化しましたからね。エンジェリックフォックス真琴は最初から冗談ですから、KPの冒頭(夢オチ)としてやろうとしたんですが、KP自体がいまいち気が乗らなかったんで、コレになったんです」 「……いい加減ね……」 「そんなものですよ」 「では、今回はこの辺でさよならですの〜☆」 「ちょいにゃ(バイバイ)〜 ♪」 「ちょっと、勝手に終わらせ……」 「では、次回猫ライド4話『ビックマコナム』でお会いしましょう」 「あなた達……案外気(息)が合ってるじゃないの……」 「真実は見えますか?」 |