リナリナ猫瑞希AIR(海国)編
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「がお……このお手玉はいったい……」 「それは、神話の時代からお前の物だ」 「な……往人さん……この三つのお手玉は観鈴ちんの物なの?」 「そうだ、観鈴……いや、海皇(翼人)神奈様」 「がお!? わたしが海皇神奈なの!?」 「そうだ、観鈴こそ、神話の時代から全ての鍵(海)を支配なされた海皇神奈様の化身だ」 「み、観鈴ちんが……神奈の化身……」 「さあ、俺と一緒に空の向こうに行くぞ」 「が、がおおおおおっ!?」 神尾観鈴失踪……ここから物語は始まる。 海皇神奈によってメインブレドウィナに閉じこめられた女神(と同じ名前なだけの)沙織を助け出すには、AIR七将軍を倒し、彼女達の守る七本の柱を破壊しなければならない。猫瑞希達の新たなる戦いが始まった。 「あんな柱一気に壊してやるにゃあっ! 猫パンチ彗星拳!」 「勝手なことをされたらかなわんな。この柱に傷一つでもついたら、あんたの命がいくらあっても足りん」 「バ……バカにゃ……彗星拳を片手で軽々と受け止めるにゃんて……お前はいったい……?」 「うちはこの北太平洋の柱を預かるAIR七将軍の一人……シーバイク(海二輪車)の晴子や! この柱を壊したければ……」 「お前を倒せばいいにゃ」 「できるんか?」 「いくにゃ、シーバイク!」 「かかってこんかい、ドラ猫!」 「猫パンチ流星拳!」 ブアアアアアアアアアアアアン! 「にゃ、これは!? 流星拳の威力が何かに遮られているにゃ!」 「あんたの拳などうちには通用せんことがまだわからへんのか! アルコールブレス!」 晴子の息吹が猫瑞希を吹き飛ばし、柱に叩きつけた。 ガシャッ! 「にゃんにゃ……今の酒臭い息吹は……息吹一つでこんなに弾き飛ばされるにゃんて……」 「もう一度くらい! アルコールブレス!」 ドシャッ! 「……確かにアルコールブレスは神業にゃ……しかし、決定的ダメージを与える程の威力ないようだにゃ」 「なんやと?」 「決定的に倒されない限り、あたしは何度でも立ち上がってくるにゃ……そして、最後にはお前を倒すにゃっ!」 「そうかい……それが望みかい……ならばくらい! シーバイク最大の拳! ひき逃げアタック」 ブオオオオオオオン! キキッ! バアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアン! 晴子のバイクによる一撃は猫瑞希を空の向こう(現在地)から地上にまで吹き飛ばした。しかし、猫瑞希は舞い戻ってきて、今度は晴子を圧倒する。 「お前の防御(ディフェンス)の秘密は解ったにゃ。両手に内蔵された小型の扇風機を光速に近い速度で回転させて空気の防御壁作り出していたわけにゃ」 「くっ! なら今度こそひき逃げアタックであの世まで飛ばしたる!」 「そうはいかないにゃ! 猫パンチ彗星拳!!!」 バアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアン! ドシャアッ! 「海幼女(シーロリータ)のみちる…………そういえば、聞いたことがあります。外見は愛らしい幼女でありながら、獣のような凶暴性と攻撃力を持つという……」 「お前もみちるの餌食だよ! ビックツインテールトルネード!」 「星雲炬燵!」 「にょわ、コタツ?」 「流石に空の上だけあって寒いです、ここは……みちるさんも入りますか? 蜜柑もありますよ」 「んにゅ」 楓はあっさりとみちるを倒し(懐柔し)、南太平洋の柱を破壊したのだった。 「よかろう、望み通りこの海医者(シードクター)が安楽死させてあげよう。喰らえ、ゴールデン(黄金の)メス!」 「防げ我が命のフライパン!」 カッ! 聖の黄金のメスはフライパン(厨房座、最強の盾)を貫き、さらに梓の体まで貫いていた。 「くうぅ……ここまで、黄金のメスがここまでの威力を持ってるなんて……」 「ふむ、ようやく力の差が解ったようなだな。大人しく永眠したまえ」 その後、まあいろいろあって、殆ど相打ちの形で、梓は辛うじて聖を倒し、インド洋の柱を破壊するのだった。 「あれはインド洋の柱の方角……まさか、聖さんほどの方まで破れるとは……」 「…これで、三本の柱が破壊されたことになりますね、シーメイド(海侍女)さん」 「フッ、あの葉っぱの小娘達、思ったよりやるようですね、シーシャボン(海泡女)」 「…けれど、これ以上先に進むことはできないでしょう。シーボール(海毛玉)がいる限り……」 「なるほど、シーボールのポテトですか。確かに、彼(彼女?)に捕まったらもう逃げることは不可能……彼女達全員がアリ地獄に吸い寄せられるようにして滅びるでしょうね」 シーメイドの予想通り、猫瑞希、琴音、そして楓までポテトにあっさりと倒されてしまう。 「ぴこぴこぴこ!(これで、三人片づいた。聖と戦っては梓も無傷で済むまい。いわば、これで哀奴隷(セイント)は全員倒したようなもの!) ぴこぴこーっ!(高笑い)」 ポテトの勝利の高笑いが響く。 ドオオオオオオオオオオオオオオオオオッ! 「ぴこっ(なにいっ)!? ぴこえは(お前は)!?)」 「鬼・千鶴! 地獄の果てから再び舞い戻ってきたわ!!」 「ぴこ(鬼だと……楓の姉貴か……お前は宇宙の塵になったはず……)」 「これは猫瑞希さんの心の痛み!」 「ぴこーんっ!」 グワシャンン! 「これは琴音さんの魂を傷つけた報い!」 「ぴこわああっ!」 バコオオオオオオン! 「そして、我が最愛の妹楓の清らかなな心を汚した罪は一番重い……」 「ぴここ!(バカめ! 何が罪だ! くらえ、ポテト最大の拳エリートショック!)」 パアアン! 「ぴこ!?(エリートショックの威力で片手で受け止めるとは、こいつはその名の通り『鬼』か!?)」 「さらばだ、毛玉! 鬼門開封!」 ザシャッ! ドシャアアアアアアアン! 「ぴこぴこ!(さあ、よく見ろ、この俺の姿を、これでお前はもう俺に指一本振れることができない)…………そうでしょ、千鶴姉さん」 ポテトは楓の姿に化ける。 「……楓……」 「ごめんなさい、千鶴姉さん! 死んでください!」 ドカアアアッ! 「ぴこえ(馬鹿な……最愛の妹の心臓を一撃で貫くとは……お前、人でなしか……)」 「愚か者め……目の前に本物の楓がいるのに化けて何になる……?」 「ぴこぴこぴ(しかし、例え偽者でも……最愛の人間の姿をした者になんのためらいもなく手を下した奴はいない……鬼・千鶴……お前は人間の情愛も涙もないのか……)」 ドシャアアアッ! 「笑止な、お前ごときが口にするなど愛が汚れる…………だが、確かにお前の言うとおりこの鬼・千鶴……愛も涙もとうの昔に捨てた女なのさ……」 「戦場で何を寝ぼけているの? 今、君の目の前に居るのはAIR 七将軍の一人シーバンダナ(海黄布)のかのりんだよぉ!」 「うう……佳乃さん……あなたとは魔法の国で師スフィーから魔法(超能力)の教えを受けた仲……なぜ、七将軍なんかに……?」 佳乃は琴音にとって、姉妹弟子であり、命の恩人であった。 「バンダナボレアリスだよぉ!」 「プルトニウムエクスキューション!!」 「きゃあああああああああああっ!」 「く……かのりん……」 「や……やっと……敵に対してクールになれたねぇ、琴音さん……」 「かのりん……これでまた友達に戻れましたか……」 ガガアアアアアアアアアアアアッ!(北氷洋の柱破壊) 「琴音さん……魔女っ娘仲間一号(友達)として一つ忠告しておくよぉ……今もっとも恐ろしいのは神奈様じゃないよぉ……もともとこの戦いを仕組んだのは……君もよく知っている、あの女……」 「なっ!? 今言ったことはホントですか、佳乃さん? か、佳乃さん……」 「………………」 千鶴は、七本の柱の破壊などという面倒なことはせず、直接神奈を倒すため、翼人神殿を目指していた。その前、シーメイドが立ちはだかる。 「残念ながら、神奈様の所にはいかせません、このシーメイド(海侍女)が」 「シーメイドだと?」 「これ以上、神奈様の周りまでうろつかれては目障りです」 「うっ…………」 「フッ、どうしました? 蛇に睨まれた蛙ように動けなくなりましたか?」 「むう……」 「恐怖を感じないですむように一瞬で葬ってあげましょう!」 「なあっ!? この技はっ!」 「セリオエクスプロージョン!」 「うぐああああああああああああああああっ!」 ドコオオオオオオオオオン! 「ば、馬鹿な……この技はあの女の……あの恐るべき黄金の……シーメイド、お前の正体は……まさか……」 「フッ、そんなに私の素顔が見たいですか? いいでしょう、とくと拝みなさい」 「あ……ああ! やはり! だがお前は破壊されたはず! 冥土(メイド)座のセリオ!!!」 「フッ、セリオだと? あんな愚か者の姉と一緒にしないでください」 「な……なに……姉?……すると、お前は……」 「ええ、私はセリオの妹(新型)。冥土座のセリオ弐式!」 「……kissから始まるミラクル……?」 「フッ、同型機とはいえ、私とセリオ(壱式)とはまるで違います。なぜなら、セリオ(壱式)は愚かしくも善(奉仕精神)と悪(野望)の二つの心に苛まれていました。しかし、このセリオ弐式(以下普通にセリオ)は唯一つ悪の心しか持っていません!」 「悪の心のみのセリオ……そのお前がなぜAIR(他社)に……」 「これ以上は問答無用です! 生命活動を停止して差し上げます!」 「うっ!」 「フッ、そういえばあなたは鬼の生命力で、殺しても何度も蘇ってくるのでしたね。ならばいっそ、違う次元に飛んでいってもらいましょうか、二度とこの世界に戻って来れない場所へ……」 「なに、違う次元だと……では、セリオ(壱式)の得意としたS(セリオ)ディメンションをお前も……」 「フフフッ、なにも姉の技ばかり借りるつもりもありません。堕ちなさい、千鶴さん、精神と時の狭間に! エターナルワールド(永遠の世界)!!!」 カッ! 鍵系作品には説明不可能な不思議な世界がある。それは永遠の世界と呼ばれ、その世界に入り込んだ者は全てこの世から消滅するのだ。 「これで厄介な人(鬼)は片づきましたね。あの鬼激しすぎますから、下手に神奈様を刺激されては困りますからね。見ていなさい、セリオ(壱式)、あなたのような半端なやり方では何も手に入りません。今こそこのセリオが正しかったを証明してみせます! 葉っぱだけでなく鍵までも手中に収めて……フフフッ……」 次回予告(香里&美汐) 「はい、予想外の作品の更新ね。まだ更新する気があったのね、この作品……」 「まあ、気まぐれ(気分転換)更新というやつですね」 「正直、葉っぱのキャラなんてもう『一人称』もろくに覚えてないわよ……口調や性格なんかも辛うじてなんとなく覚えてるだけ……」 「ええ、ですから放置しておけば放置しておくだけ危険なんです」 「だから、さっさと片づけてしまおうってわけ?」 「まあ、そんなところかもしれません。ちなみに、さっき前の作品を確認してみたところ、以前は……」 香里「こんな感じだったわね」 美汐「ええ、こんな書き方でした。これだと口調にわざとらしいまでに特徴を出さなくてもキャラの区別がつき便利なのですが、この書き方を使っていると、普通の小説が書けなくなってしまうという副作用があったのです」 「さらに、ゲームみたいに視点を一人称とかにした日には、地の文がまったく書けなくなっちゃうのよ……」 「まあ、そんなわけです。ちなみに、今回の千鶴さんの口調ですが、随時鬼状態だと思ってください。梓さんなんかの口調は……元から記憶に残ってません!」 「元からって……」 「思い入れのないキャラなんてもう名前しか記憶に残って無くても仕方ないじゃないですか。これが漫画なら口調や一人称はそれほど気にしなくてもよくて楽なんですけどね……どのセリフが誰のセリフかは、吹き出しで一発で解りますから……」 「そうね、この前読んだカノンの漫画もあたしの一人称が『あたし』じゃなくて『私』になってたり結構いい加減なものよね……」 「地の文で、セリフの後にいちいち説明するのも綺麗じゃありませんしね(例、と美汐。と香里)」 「……と、話がずれる前にさっさと終わらせましょう」 「多分、AIR編は前後編(二話完結)になると思います。書いてみて長くなってしまったら、延長するかもしれませんが」 「まあ、流石に一ヶ月以上放置なんてことにだけはならないと思うわ。とりあえず、これ終わらせないと他の作品書き始められないから気分的に」 「では、そういうことで……」 「後編(第2話)も良ければ見てね」 「あなたはコスモ(萌え)を感じたことがありますか?」 |