Kanon Princeess(カノン・プリンセス)
第6話「エンジェリックフォックス真琴」


前回までのあらすじ
「…全国大会準決勝、舞(デウス)の操る佐祐理(エンジェル)のマジックガードの前に手も足も出ない、美汐(デウス)の真琴(エンジェル)……果たして、美汐に勝機はあるのでしょうか!?」

「あははーっ ♪」

バチッ!

「あぅ〜!?」
「……無駄」
「くっ……」
「……私は……今年こそあゆ(エンジェル)に勝つ……!」
「真琴!」

何度も、佐祐理にぶつかっていく真琴。

「……無駄無駄!」
「見切りました! 真琴!」
「あぅ〜〜っ!」
「ふぇ!?」

バココオオオオオオオオオオオオオン!

「マジックガードの正体は魔法や」
「フフフッ……それじゃ、なんの説明にもなってませんよ、祐一さん。それから、似合わない関西弁は辞めてください、関西の方に怒られますよ」
「すみません、秋子さん……」
「まあ、魔法だろうと科学だろうと電気は電気です。真琴はツインテールをアース代わりにして電気を逃がして、攻撃に成功しました。それでこそ、私の娘ですね」
「そういう配役でしたね、今回は……」

「……まだ終わってない!」
「あははーっ! あははーっ! あははーっ!」

佐祐理の見事な体術が真琴に襲いかかる

「負けません!」
「あぅ! あぅ! あぅ!」

負けずに真琴も応戦する。

「あははーっ!!!」
「あう〜〜っ!!!」

ドカカッ!

佐祐理の正拳突きと、真琴の回し蹴りの激突、紙一重で真琴が勝利をおさめていた。

「あの……」

舞に近づいていく美汐

「O次郎さん」
「バケラッタ!……と言えばいいの?」

「…執事(じいや)、EDを流してください」
「んにゅ」



「………はっ! 夢?」

目覚めた香里は汗をビッショリとかいていた。
頭の中には、美汐やあゆや舞、挙げ句の果てには秋子さんのサービスカット(EDアニメ)が焼き付いていた。

「…邪夢(ジャム)は見れましたか?」
「なっ!? あなたは!?」



「名雪、私の邪夢(ジャム)持ち出しましたか?」
「そんな、命知らずなことするわけないよ〜」
「おかしいですね、一瓶なくなってるんですよね」
「あぅ〜、秋子さん、これどこで使えばいいの?」

真琴の手には『進呈』と書かれた白い封筒が握られていた。

「それはですね……」
「チェキ! お米券入りの進呈封筒、これは犯人の正体を探る重要な手がかりだよぉ」
「ぴこぴこ!」
「ポテトソンもそう思うよね?」
「ぴこ!」

謎の毛玉が頷く。

「あの〜?」
「はっ!? 見つかっちゃったよ、さあ、大変だよ、逃げなきゃ駄目だよぉ! 行こう、ポテト」
「ぴこっ!」

謎の少女と謎の超毛玉生命体は、現れた時と同じく唐突に姿を消してしまった。

「誰なんだろうね、今の人(と毛玉)達……お母さん、どうしたの?」
「ついに……ついに……来てしまったんですね、彼女達が……」


『三体の魔獣が一つなり、邪悪なる戦士が誕生するのです』

テレビからマ○オさんの声が聞こえてくる。しかし、今は日曜の18時半ではない、日曜朝の7時半である。

「あははーっ ♪ やっぱり、悪役の方が格好いいですね ♪」
「が、がお……」
「あははーっ ♪ 牙吠ですね ♪」
「牙、牙吠……?
「あははーっ ♪」
「にははーっ」


「ふぇー……終わっちゃいましたね。次回が楽しみですね ♪」
「にははーっ……」
「あははーっ ♪ で、あなたはどちら様ですか?」
「が、がお…………もっと早く聞いて欲しかったよ」

そういった直後、いきなり少女は幸せそうな表情になった

「ふぇ? どうしました?」
「がおって言っても殴られない……」
「殴って欲しいんですか?」
「えっ?」
「じゃあ、行きますよ ♪ 本気狩百獣拳(まじかるひゃくじゅうけん)!!!」
「みすずちんピンチ!?」
「邪気退散 ♪」
「がおおおおおおおおおおおおおっ!?」

ドコオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオン!

「が……がお……」
「………………」

吹き飛んだ金髪の少女の前に、銀髪の少女が立っていた。

「……遠野さん?」
「…巨大化……したいですか?」
「結構です!!!」
「…がっかり」

心底残念そうにした後、遠野と呼ばれた少女は傍に控えていた子供のに声をかける。

「…帰りますよ、ヤバイバ」
「……それ、みちるのことなのかな……ツエツエ?」
「……………違うの?」
「……みちるに聞かれても困るよ、美凪……」

そんな会話をしながら、ツエツエとヤバイバ……もとい、美凪とみちるは去っていった。
呆然としている、金髪の少女を置き去りにして……。

「が、がお…………」



時間は少し遡る。
悪夢から目覚めた香里の目の前に現れたのは、邪夢(ジャム)を手にした秋子さん……ではなく、銀髪の美しい少女だった。
少女の正体を問いただすより先に、香里がしたことは、

「まさか……それ(邪夢(ジャム))をあたしに飲ませたの!?」
「…………」

奇妙な間。

「どうなのよ!?」
「……美味しかったですか?」
「あああああああああああああああああっ!」

香里は絶叫した。自分はきっと飲んでしまったのだ、アレを……。
だとすれば、副作用はさっきの悪夢程度ではすまない……。
諦めと自虐の表情を浮かべた後、香里は目の前の少女に尋ねた。

「……で、あなたは誰なの?」
「……………」
「………………」
「…おはようございます」
「……だああっ!?」
「………………」

香里の反応を不思議そうに眺めた後、

「…こんばんわ?」

と言い直した。

「……おはようでいいわよ……」

香里は頭を抱えた。また、変な奴が増えた。類が友を呼ぶという奴だろうか?
まさか、自分がその類(の核)なんじゃ……ないよね?



次回予告(ナギー&ちるちるでお送りします)
「…というわけで、カノン・プリンセス第6話終了です、ぱちぱちぱちぱち」
「んにゅにゅ、カノン・プリンセスというより、エア・プリンセスって感じだね。みちる達大活躍だよ」
「…タイトルに偽りアリです」
「にゅはははっ」」
「…さて、次回は、エアの主役のクセに一番目立てなかった、恐竜さんが大活躍です」
「佳乃の方が出番なかった気がするよ、ナギー」
「…ちるちるも似たようなものです。毛玉さんの方が目立ってました」
「うそ!? 嘘だよね、美凪……」
「…では、次回、『観鈴死す!』でお会いしましょう」
「……美凪……嘘だよね?」
「…さあ、撤収です、みちる」
「あ、待ってよ、美凪……」


真・次回予告(香里&美汐でお送りします)
「……逃がしたみたいね……」
「手際がいいですね、香里さんと違って」
「どういう意味よ……?」
「さて、ここからが本当の次回予告です」
「…………」
「ついに、決勝戦! 美汐と秋子のラストバトル……」
「はい?」
「次回、エンジェリックフォックス真琴最終回『狐火よ! 私と真琴を誘って!』をお送りします」
「ちょっと、それ(エンジェリックフォックス真琴)は夢オチのはずじゃ……」
「真琴、一緒に頑張ろう」


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