Kanon Princeess(カノン・プリンセス)
第2話「Kanon新世紀/あゆ」



6月30日土曜日
それは『うぐぅ』の悲鳴から始まった。


「うぐうううううううううううううううううぅぅぅぅぅぅぅっ!?」
「なんだ……?」
悲鳴?の直後、凄まじい勢いで足音が近づいてくる。
「大変だよ、祐……お兄ちゃま!」
祐一の部屋に飛び込んできたのは祐一の4人の1人である『あゆ』である。
「なんだ、コーヒー牛乳がこの世から消える(名称が)ってニュースか?」
「うぐぅ、確かにそれも大ニュースだね……お風呂屋さん大ピンチだよ」
「とても深刻な問題だな」
「うん…………て、そうじゃないよ!」
「なんだ、違うのか?」
祐一はあゆから視線から読みかけの漫画に戻した。
「一大事なんだよ、お兄ちゃま!『キャプテン翼 ROAD TO 2002』なんて読んでる場合じゃないよ!」
「ある意味面白いぞ、この作者どこまでキャプテン翼だけで食っていくつもりなのかとか考えるとだな……」
「きっと死ぬまでだね……」
「ある意味『漢』らしいな……」
「うん……て、だから今はキャプテン翼はどうでもいいんだよ!」
「聞き捨てならないな、キャプテン翼はサッカーとやおいの歴史を語る上で……」
「うぐぅ! ボクそんな歴史知らないし、知りたくもないよ」
「そっか、残念だな」
祐一は再び漫画に視線を戻す。
「お兄ちゃま……やけに自然体(いつもの祐一君)だね……まだこの作品二話目だよ? 妹がいきなり四人も増えて戸惑ったり、逃げ出したりしないといけない所だよ……」
「原作(元ネタ)そのままなぞっても面白くないだろ……てなんの会話してるんだ?」
「ツッコミ入れられる前に、自分で入れて予防線を張ったんだよ」
(きっと祐一君は妹が12人+αいきなり増えても、受け入れて楽しむ人間なんだね……)
あゆはある意味の尊敬と軽蔑の入り交じった視線を祐一に向けた。
「で、本当の用件はなんだ?」
「そうだ! 大変なんだよ、お兄ちゃま! ゾイドが終わっちゃったんだよ!」
「…………それで?」
「ボク、これから何を心の支えに生きていけばいんだろう……」
「アレが心の支えだったのか……」
「ボクはウルトラマン(後番組)が憎いよ……」
「…………テレビ局に抗議にでも行くか?」
もちろん、祐一は冗談で言ったのだが、
「うん、後でそうするつもりだよ」
あゆは本気だった。
「……まあ、適当に頑張れよ……」
祐一は視線を漫画に戻す、これ以上コイツに関わりたくないと主張するように。
「ねえねえ、だから、お兄ちゃまも一緒に行こうよ」
甘えるように、祐一に抱きつくあゆ。
「1人で行け」
「1人じゃ怖いよ。テレビ局って侵入者は射殺されるって……」
「誰が言った?」
「真琴ちゃんだよ」
「あいつはまた間違った知識(漫画やアニメ)を……」
「あう〜〜!?」
話題の主が姿を現す。
「ちょっと、真琴の祐…お兄様から離れなさいよ!」
「うぐぅ! お兄ちゃまはこれからボクとテレビ局に行くんだよ」
「駄目よ、お兄様は真琴の物なの!」
「俺は物じゃないぞ……」
当然のごとく、祐一の主張は誰も聞いてない。
「日向は金儲けが上手いな……」
諦めの境地に達した祐一は漫画を読むのを再開する。
「ここでは真琴の方がお姉さんって『設定』だから、真琴に譲るべきよ!」
「うぐぅ! 年上だったら、なおさら可愛い『妹』にお兄ちゃまを譲るべきだよ!」
「あははーっ ♪ 年齢なら佐祐理が一番年下って設定ですよ、末妹ですから ♪」
「うぐぅ!?」
「あぅ!?」
「あははーっ ♪」
二人の間にまるで最初から居たように佐祐理が割り込んでいた。
「急に湧いてこないでよ……」
「うぐぅ……気配がまったくなかったよ……」
「あははーっ ♪ 佐祐理は魔法少女ですから ♪」
「なんでもそれで片づける気ね……」
「最強の免罪符だよ……」
「あははーっ ♪ よく免罪符なんて言葉知ってましたね、あゆさん ♪」
佐祐理の出現によって、あゆと真琴の争いは中断されている。これがキャラの格の違いという奴だろうか?
「こういう場合はファイト(バトル)で決着を付けると良いですよ ♪」
「あぅ、ガンダム?」
「うぐぅ、ゾイド?」
「あははーっ ♪ どっちでも大差ないですね ♪ 要は相手を倒した方が勝ちです ♪ ジャッチマン(審判)は佐祐理がしてあげますね ♪」
心底楽しそうな表情で佐祐理が言う。
「良いわ、そのファイト受けたわ!」
「うぐぅ! ボクもバトル承認だよ!」
「どうでもいいが……余所でやってくれ……俺の部屋でやるな……」
「大変ね、相沢……お兄ちゃん……」
「ああ……て、お前(香里)も当然のように隣に座ってるなよ……」
「あの二人と同レベルで争いたくないし……あの人(佐祐理)とは関わり合いになりたくないのよ……解るでしょう?」
「ああ、身に染みてな……」


「あははーっ ♪ バトルフィールドセットアップ ♪ あゆさんvs真琴さん、バトルふぁいと〜 ♪」
「行くよ、真琴ちゃん!」

ドオオン!

「うっぐっぐっ! 食い逃げで鍛えたボクのスピードには誰も付いてこれないよ ♪」
高速で真琴に襲いかかるあゆ。
「あう〜?」

ペチッ!

「うぐぅ!?」
真琴のツインテールがあゆの顔面にヒットした。
「自分からぶつかって行かなかったか、今?」
「あんな高速じゃ、回避(直進しか)できないわよ……」

ペチッ! ペチッ! ペチッ! ペチッ!

「うぐぅ! うぐぅ! うぐぅ! うぐぅ!?」
ツインテールびんたの連打があゆを襲う。
「あの髪……不自然に動いてないか?」
「……気のせいよ……気のせいだと思いましょう……」
「うぐぅ、このままじゃ……」
あゆ最大のピンチに、1人の少女が姿を現す。
「あゆさん、頼まれてた物できましたよ……」
「うぐぅ! 未汐ちゃん、それホント!?」
「ええ、ですから支払いの方をお願いします」
「払う! 払うよ! だから、助けてよ〜」
「仕方ありませんね…………真琴、『おあずけ』」
「あう!?」
真琴の動きがピタリと止まる。
「そのまま『お座り』しててください。さあ、あゆさん、こちらへ……」


「システムインストレーションコールうぐぅ!」
「あゆ・JUGER(イエーガー)コンプリートです」
「今度は負けないよ、真琴ちゃん」


「……どこが変わったんだ?」
「リュックの羽の色が違うわね……」
「……それだけか?」
「ええ、そうよ、お兄ちゃん……」


「ストライクレーザーウィング(リュックの羽)だよ!」
あゆのリュックの羽が光輝の刃と化す。
「甘い! ブレードならこっちにもあるわよ!」
真琴のツインテールも光輝の刃と化す

ズドオオオオオオオオオオオオオオオオオオン!

「うぐぅぅ…………」
「あうぅぅ…………」

バタン!

「あはは〜 ♪ ダブルKOですね ♪ 引き分けですね ♪」
「ここには……まともな人間いないのかしら……」
彼女達に勝つには、自分も『荷電粒子砲』でも装備しなければいけないのだろうか?と悩む香里だった。


「では、改めまして……初めまして、『アニキ』」
「つまり、お前も妹なわけか……」
「ええ、『未汐』です。挨拶代わりに研究資金ください、アニキ」
「は?」
「研究資金ください」
「いきなり……」
「研究資金ください」
「何を……」
「研究資金ください」
「…………」
「研究資金ください」
無表情無感情に永遠(エンドレス)に繰り返す未汐の前に、祐一は『研究資金』を払わずにはいられなかった。


「……登場しそこなった……」
「あははーっ ♪ 次がありますよ、舞 ♪」
「お母さん、わたしも出れなかったよ」
「ウフフッ……」
「お母さん?…………いつも以上に怖いよ?」
「あははーっ ♪ 今回出番なかったですからね、秋子さん ♪」
「うわっ! 怖い物知らずなら発言だよ」
「佐祐理さん……」
「あははーっ ♪ じゃあ、『レギュラー』の佐祐理はもうおにいたま(祐一さん)の所に帰りますね ♪」
佐祐理は『出番待ち控え室』から出ていく。
「うわっ! お母さん落ち着いて!」
「ウフフフフッ……」
「……ぽんぽこタヌキさん……」
その後、控え室で何が起きたのかは……公式な記録には残されていない……。


『次回予告』(香里&未汐でお送りします)
「ねえ……」
「なんですか?」
「この作品、あたしが主役なのよね?」
「ええ、作者は悪趣味ですから……」
「……どういう意味よ……」
「いえ、変わった趣味をしているなっと……香里さんが好きだなんて」
「…………殴るわよ」
「時間ありませんから、真面目に次回予告してください」
「…………」
「次回こそ残りの妹キャラを出す予定だそうです」
「なんで、今回、追加があなただけだったの?」
「今、作者は追加3キャラ(四葉、春歌、亜里亜)の勉強中(資料集め)をしてまして、それが済んでから、元ネタの第2話みたいに全キャラ一気に出すか、とりあえず、3キャラ以外を登場させるか……という予定だったのですが……」
「ですが?」
「ゾイド最終回を見てしまったせいで、この話を書きたくなったそうです」
「…………つまり、この話はゾイド最終回記念というわけね……」
「そんなところですね」
「まあいいわ……じゃあ、また来週ね?」
「ええ、一応遅くても週1ペースで書くそうですから」
「……じゃあ、またね……」
「次回は、妹の修羅場が見れるぜ!……かもしれませんね」


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